イロドリ勢が始めるチュウニズム日記

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新田恵海LIVE Trace of EMUSIC ~THE LIVE~ ~THE HISTORY~

8/8, 9に行われた新田恵海さんの ライブTrace of EMUSICの感想です。

 

新田恵海LIVE Trace of EMUSIC ~THE LIVE~ ~THE HISTORY~

 

 2017/8/88/9に行われた新田恵海のワンマンライブ、彼女のワンマンライブは2016/7/31に神戸で行われた、WEST EMUSICつなぐメロディー以来1年ぶりだ。この間に、新しく発表された楽曲は3曲、4月に発売された5thシングル”ROCKET HEART”、そして7月に発売されたライブのタイトルにもなっているベストアルバムTrace of EMUSICに収録された”Smile again with you”と”Believe in (E)MUSIC”、数こそ少ないかもしれないがどの曲も新田恵海というアーティストを語る上で欠かせない曲たちだ。

 そしてTrace of EMUSICというタイトル。ベストアルバムとして彼女の音楽である「EMUSICの足跡」そして2日目のタイトル~THE HISTORY~、どのようなライブになるかは未知数だったがこの時点で新田恵海の集大成といえるライブになるのではないかと予期していた。

 

 そして1日目の~THE LIVE~、幕が上がると共にemitsun bandのメンバーそれぞれの位置につき開幕の音楽を鳴らし始める、その後中央のステージに現れるemitsun bandのボーカル新田恵海、マイクを手に放った一言目は「いくよ!せーの!」「We are ROCKET HEART !」開幕1曲目は”ROCKET HEART”新田恵海と恵海人によって出来上がった彼女の新しいアンセムだ。ライブの始まりの歌としてピッタリである。この曲はとにかく楽しい、一緒に歌えるところもありクラップもあり、今までの楽曲以上に恵海人との繋がりを感じられる歌だ。「みんなで321!」の通りにライブのロケットスタートを決めてくれた。

 2曲目は”つなぐメロディー”前回のライブのタイトルにもなっていた新田恵海のツナがりの歌だ。だがその歌は去年横浜で見たあの歌とは違っていたと断言できる。あのときは、「繋いでいきたい」「繋がっていたい」という気持ち、使命感にも似たものであった。しかし、この”つなぐメロディー”は違う「繋がっていることの楽しさ」「歌うことの楽しさ」を全力で表現していた。この曲を聴いたときになんとなく今日はひたすら楽しいライブになるんだなと理解した。

 曲が終わり、挨拶をするえみつん、「今日はここを贅沢なライブハウスにします!」そう高らかに宣言し、次の曲に入る。3曲目は”WONDER! SHUTTER LOVE”そして4曲目は”Rainy*flower”、どちらもライブでは小道具を使った演出が魅力的な楽曲だ。しかし、今回のコンセプトはライブハウス、そういった小道具なしに全力で煽りに来る、特に”WONDER! SHUTTER LOVE”は今までえみつんがカメラで撮ることがメインだったが、曲自体はそれだけではなくクラップも入れやすい一体感の高まる曲だ。このライブでまた新しい楽しみ方が増えた。

 5曲目は、”想いよ届け”サビからの疾走感が素晴らしく聴いていてとても心地よい曲だ。

 ここでバンドメンバーの紹介に入るえみつん、どのメンバーも個性的な方ばかりだ。ドラムスのショボンさん(ショボたん)、最近ではバンド内で秋田弁を教えているとのことで、例として「へばまんづな(じゃあまたね)」が挙げられていた。キーボードのyunaさん(ゆなっち)、相変わらずマイクは苦手なようで声を聴くことは出来なかったが、えみつんに代弁してもらうなど仲のよさを感じる一幕もあった。ベースの中村泰造さん(たいたん)、彼はえみつんが高校時代好きだったバンドのベースをやっていた憧れの人だ。それが(ある程度)フランクに会話できているあたり時間の流れを感じさせる、上手ギターの坂本光久さん(みっちゃん)、毎日ツナマヨおにぎりを食べたり、恵海人とも積極的に交流するなど色々と愛の深い方だ。下手ギターの飯"MESHICO"直人さん(メッシーナ)、ライブ中は、そのギターテクと顔に注目してもらいたいという面白い方だ”ROCKET HEART”MVでのその姿は確認できる。そしてバンマスの須賀勇介さん(がっちゃん)、マニピュレータとしてだけでなく、ライブ中の観客への煽りがとても激しく彼に合わせていれば盛り上がれる。あらゆる意味でバンドの要である。

 バンドメンバーの紹介も終わり、6曲目は”盟約の彼方”、新田恵海のライブは全編生バンドである、そこには原曲にはない姿や魅力が現れる。特に今回の”盟約の彼方”にはそれを感じた、原曲は弦を使った幻想的な雰囲気が特徴だが、今回はベースの重低音が響き渡るロックナンバーであった。

 7曲目は”OURS POWERS”これもまた新田恵海の絆の歌だ。スタンドマイクを前に最小限の振りだけで丁寧に歌い上げる、そんな彼女の姿をスポットライトが照らす。このスポットライトの演出がたまらなく好きな楽曲だ。

 曲が終わり、会場の話をするえみつん「私、中野サンプラザは好きな会場で、特にお気に入りポイントが椅子なんです」と話し、次の曲の話へと移るが、ここで次はアコースティックをやると話すえみつん。彼女のアコースティックは、去年台湾で披露されて以来複数回行われているが、フルメンバーそろってのアコースティックは初めてである。曲の準備をしている間に椅子へと座る観客たち、えみつんは「言わなくても座ってくれている」などとすっとぼけていたが、直前に椅子をお勧めすることで直接言うことなく誘導の出来る彼女は間違いなく策士だ。

 アコースティック1曲目(8曲目)は”笑顔と笑顔で始まるよ!”新田恵海1stシングルであるこの曲は、彼女のように元気いっぱいなメロディが特徴的だ。しかし、これをどのようにアコースティックで表現するのだろうとわくわくしながら聴いていたら驚いた、見事にアコースティックの雰囲気にピッタリなのだ。元からこのような曲調だといわれても納得できるほどの完成度だ。

 「ずっとアコースティックを届けたかった」と語るえみつん、1曲目だけでもうもっといろんなアコースティックを聴きたいと思わせるほど心地よい歌であったが、嬉しいことにまだまだアコースティックコーナーは続く、2曲目(9曲目)はバンドメンバーの満場一致でやりたいと決まった”スピカ”こちらはゆったりとした曲で、アコースティック栄えする曲だ。普段はゆっくりとサイリウムを横にゆらす新田恵海のライブの中でも静かに聞き入っていたい部類の曲だが、今回はさらにサイリウムを消し椅子に座ってその音楽に耳を傾けていた。

 「念願かなって嬉しいです」と改めてアコースティックへの想いを口にするえみつん、歌いたい歌を歌い、それを聴いてくれるお客さんがいる、とても単純なことだが実現するのは難しいであろう瞬間がここにある。アコースティックパートも残り1曲、最後の歌は中野でやりたかったと語るえみつん。2016/6/4 EAST EMUSICつなぐメロディーで初披露された曲、「初めはロックバラードだったのですが、(中略)時が経つにつれて歌の形が変わっていって、バラードアレンジで歌いたいと思って」と語るえみつん。新田恵海曰く、曲は成長するものである、横浜での彼女の叫びは時を経て希望の歌へとその真の姿を現した。アコースティック3曲目(10曲目)”暁”、この曲のアコースティックは国内でも披露される機会が幾度かあったが、そのたびにこの曲の力強さに涙を流している。それだけの力がある、それだけの想いが込められている、この曲をバンドメンバー全員の演奏の元で聞けるのがたまらなく嬉しかった。

 アコースティックが終わり「本当に私の想いをかなえてくれるバンドメンバーや聴いてくれるみんながいて幸せです」と語るえみつん。それを成すことができたのは間違いなく彼女の実力と人となりであるが、このようなことを言えることが新田恵海という人間の魅力を引き立てるのである。

 そして、次の曲へと移る、今回のライブは平日ということで、来られなかった人たちにも元気になれるようにと11曲目”Dear everyday”6/16ROCKET HEARTリリース記念ミニライブにて平日にライブすることを謝罪しつつ、「来ていない人にも歌を届ける。それが新田恵海です。」と語ったようにこのライブの参加者は、中野サンプラザにいる人だけではないという思いが伝わってくる。

 12曲目は”言葉より強く”、さわやかな前曲とは打って変わってのバラード、新田恵海はバラードでことさらに技量が強調されるため、ずっと聴いていたくなる曲だ。

 13曲目は”優しい世界そして未来へ”、こちらも彼女の歌唱力が目立つ曲だ。またそれとは別にサイリウムの色もこの曲は特徴的だ。イメージカラー自体は青だが、実際に振られている色は赤だったり青だったりするので、その混ざり方も面白い。

 14曲目は”NEXT PHASE”、これもまた前の曲からがらりと変わって元気が溢れる歌だ。最後の「CHA CHA CHA」の連続煽りはなかなか息が続かないが、それでもついてこいという彼女の強い意志を感じる。

 ここでMCへと入る、色々聴いてもらって新鮮だ、幸せだと、ここで歌っているのが現実なのか夢なのかふわふわしている、ただ楽しいと語るえみつん、実際このライブはとても楽しい、ライブの醍醐味である非日常感、まさに現実を忘れて楽しんでいた、このときは純粋にそうであった。おそらくそれは彼女も同じだったであろう。言わなきゃいけないことがある。だがそれを言うのは今じゃない、今はただ純粋にライブを楽しむ、そのための2daysそのための~THE LIVE~だ。

 まだまだ声出し足りないでしょ?と後半戦の開始を宣言するえみつん。15曲目”探求Dreaming”ミルキィホームズTDEDとして作られたこの曲、正直語るのは恐れ多い、力強さ、儚さ、優しさ、様々な要素が織り合わさった歌だ。

 16曲目は”想像を超えた世界”、1stシングルのカップリング曲である。新田恵海の力強い歌声とメロディによりどこまでも気分を高めてくれる、そしてそのボルテージが最高潮となるのが間奏のみっちゃんのギターだ。「ギター!みっちゃん!!」の煽りと共に華麗なギターテクを披露するみっちゃんはとてもカッコいいのである。

 そして最後の曲(17曲目)”Believe in (E)MUSIC”、えみつんの振りにあわせてワイパーをする。一緒にあわせて歌う、「ボクにはキミがいる」にあわせて自分と観客を指差す振り、まさに会場がひとつになった曲だ。EMUSICのタイトルをつけるのも納得の最高のEMUSICだった。

 曲が終わり湧き上がるアンコール、それに応えステージに現れるえみつん。アンコール1曲目(18曲目)”Smile again with you”、アルバムTrace of EMUSICEMUSICの軌跡であるならば、これはまさにそれを象徴する歌だ。この歌のイメージカラーは事前には言われておらず自分自身どの色を振るかなど考えてもいなかったが、彼女の歌声を聴いた瞬間に「すっ」と振るべき色が入ってきた、このような現象が起きたのは自分にとって初めてのことだった。それだけこの歌に対する彼女の想いが伝わってきたのかもしれない。

 歌い終わり拍手が沸き起こる、しかしここで止まる彼女ではない。19曲目”EMUSIC、彼女の代表曲だ、ライブでは会場の一体感がすさまじいことになる。普段は序盤の火付け役であるこの曲をここまで温存し、アンコールに持ってくる。最後の最後まで盛り上がろうというこのライブにピッタリのタイミングだ。

 ”EMUSICが終わりMCに入るえみつん、「初めての2daysライブだからもしかしたら明日に余力を残しておかなければいけないのかもしれないけど、私には手加減なんて出来ません!」常に全力でぶつかる彼女らしい言葉だ。ここで再びバンド紹介へと入る。ショボたんは標準語で話すとゆっくりとしか話せなかったため標準語で話すのをやめ、秋田弁全開でしゃべるようになったこと、ゆなっちがマイクでしゃべってくれたこと、いつもどおりのみっちゃんに対して、順番を変えて欲しいというメッシーナやがっちゃんなど、個性豊かなそしてとても仲がよいことを感じさせるバンドメンバーたちだ。えみつん自身も「熱くて優しくて、マイペースな最高のメンバー」と称している。次の曲はそんなメンバーと作った曲と言いかけて、次はその曲ではないことに気づくえみつん、この流れならその曲と間違えるのも無理もないが、ここはライブハウスなのでそういうこともあると、お茶目にごまかす。

 改めて曲に移るえみつん、20曲目”きらめきを夢みて”、新田恵海が作詞作曲した歌だ。本来は彼女の全てが詰め込まれた歌だが、ライブを重ねるにつれ恵海人の存在なしには成り立たない、新田恵海と恵海人をつなぐ大切な歌へと変化していった。

 歌が終わり拍手が沸き起こる。「次で本当に最後になります」と切り出すえみつん、改めて今日のライブの参加者へと感謝を述べていく、平日開催に加え天気も荒れ気味だったがこうして音楽でつながっていることの幸せ、今日来れなかった人とも心の中でつながっていると思うともえみつん述べた。ライブが発表されたときからそうだったが、彼女は平日開催であることをかなり気にかけていた、実際平日ということで涙を飲んだ方も多くいただろう、多くの人とのつながりに支えられたからこそ来ることのできない人にも歌を届けたい、届かせるという強い意志があったのだろう。

 そして最後の曲紹介へと入っていく(もっともすでに分かっているのだが)、「聴いてくれるみんながいて、そしてえみつんバンドのみんながいたから生まれた曲でした」、21曲目”Shine”、どこまでも走り抜けていけそうな疾走感溢れた曲だ。2016/7/31 WEST EMUSICつなぐメロディーで披露された、楽しく歌うという、新田恵海が原点へと立ち返った彼女の想いが100%込められている歌だ。

 曲が終わり、ライブもついに終了、「恵海人最高だ!」「また皆に会える日を楽しみにしています!」といいながら「本日はありがとうございました!」と挨拶をして〆。その後、会場に流れていた”ROCKET HEART”Instrumentalに合わせながら恵海人がコールをするといった一幕もありながらday1 ~THE LIVE~は終了した。

 

 2日目、Trace of EMUSIC ~THE HISTORY~、開幕は1冊のアルバムがめくれていき、アーティストデビューしてからの曲が流れるという形式でスタート、映像の間にemitsun bandのメンバーが持ち場に着き映像が終わると、今日の主役新田恵海が現れた。

 そしてステージのモニターに流れ始める映像、曲紹介とえみつんのコメントが表示されている、1曲目は”笑顔と笑顔で始まるよ!”アーティストデビューした彼女の1stシングル、始まりの場所だ。昨日のアコースティックも素晴らしかったが、やはり元の曲も元気いっぱいで、聴いているこちらまで元気になれる、衣装も1stライブのものを着用しており~THE HISTORY~にふさわしいスタートだ。

 曲が終わり2曲目に入る、”想像を超えた世界”、ここでとあることが起きた。いや、正確には”起きなかった”。~THE LIVE~でも述べたがこの曲は、えみつんの煽りと共にギターの坂本光久氏によるプレイが見所のひとつであり、今までのライブでもおなじみの演出だ。しかし、今回彼女はその煽りを入れなかった、予想外のこと過ぎて、最初は自分が聞き逃したのではないかとすら思ってしまった。いつもの演出をしない、そこにはおそらく何か意図があるのだろうが、当初はその意図が読めなかった。

 3曲目、4曲目、流れのままに次の曲は2ndシングルの”探求Dreaming”と”想いよ届け”だ。”探求Dreaming”は、アーティストデビューしてからは初めてのタイアップ曲という大きな位置を占める曲だ。えみつんもモニターのコメントで『ミルキィのみんなありがとう』といっている。

 56曲目は2ndシングルと同時発売された3rdシングル”NEXT PHASE”、”優しい世界そして未来へ”だ。”NEXT PHASE”のコメントには『私は、みんなの応援団長』と記されており、1stライブを思い起こさせる。そしてまた気になる事が起きた”NEXT PHASE”の最後で「CHA CHA CHA」の連続煽りが起こらず、CDの尺で収まったのだ。

 ここで、ようやくこのライブはCDの順番をCDの通りに披露するのだと予感すると共に、強烈な違和感に襲われた。個人としては新田恵海のライブの真骨頂は、考え抜かれたセットリストとそれを感じさせるMC、生バンドによるCD音源以上の音楽に、新田恵海というアーティストの持っている会場を一体とする力だと思っている。それゆえにこのような構成になっている理由が分からなかったのだ。

 曲が終わり、一旦はけるえみつん。幕間には今までの曲のMVやライブ映像が流れている。映像が終わり、再び現れるえみつん、今度の衣装はつなぐメロディーの後半の衣装だ。7曲目は”EMUSIC1stアルバム”EMUSICの表題曲だ。先ほどの予感は正しく、「Jumping high」の前にお決まりだった「Say!」を入れないなど、歌い方はライブのものだったが、CDに入っていないものは決して入らなかった。

 8曲目”言葉より強く”、9曲目”Rainy*flower”、ここからアルバムパートが続いていく、

Rainy*flower”では、昨日と異なり傘によるダンスを披露してくれた。また、最大の見所である深呼吸の場面も、昨日ほどの長さではないが綺麗な無音が響いた。

 10曲目”Dear everyday”に続き、11曲目の”WONDER SHUTTER LOVE” では、撮影こそ行われなかったが、1stライブでのカメラを使ったダンスが披露された。

 そして”スピカ”、”OURS POWERS”、”きらめきを夢みて”と121314曲目が過ぎていき、再び舞台袖へと消えるえみつん。

 記していなかったがここまでMCは無しだ。これも今までのライブにはないことだ。ここまでの14曲をほとんど休憩も無しに歌い上げてきたのだ。新田恵海が歌に込める感情は尋常ではない、だからこそ人を感動させることが出来る。今回の彼女の姿には鬼気迫るものを感じていた。「完璧に歌い上げる」そのような意思を感じたのだ。

 衣装が変わり、衣装は今回のライブTシャツとなっていた。15曲目、”盟約の彼方”、16曲目、”つなぐメロディー”どちらも4thシングルの楽曲だ。

 どちらの曲も終わり、次に聴こえてくるのは、発売されてからそこまで時間は経っていないはずなのにもうすでに聴きなれたイントロ、17曲目”ROCKET HEART”、この歌を歌っているときは、彼女はいつもの新田恵海だったような気がする。そもそもがそういう歌だからだ。皆がいたから出来た歌、歌う喜びを全身で表現したみんなの歌だ。

 18曲目の”Shine”にそして、19曲目”暁”この曲に関しては感じ方はそれぞれであっただろう、2016年の”暁”を想像した人もいるだろうし、今までの組み合わせのように感じた人もいるかもしれない。

 曲が終わり、衣装を変えたえみつん。今度はもう片方のライブTシャツだ。ここで彼女は初めて口を開いた、自己紹介を終え、アルバムをめくるような形で進行していったプログラムであったことなどを語っていく、そしてここで、「皆様にお伝えしたいことがあります」と切り出す。

 

 「私、新田恵海はこの8月いっぱいで株式会社Sを卒業させていただくことになりました。」

 

 世の中にはなんとなく言葉を受け取ってしまいその言葉の本当の意味を図りかねることがある。Trace of EMUSIC ~THE HISTORY~、今までの総決算になるのだろうという意味でしか考えていなかった。だが、この言葉を聴けば意味は分かった。新田恵海というアーティストがここまで成長したということを示すためのライブだったのだろう、だからこそ今までの曲を完璧に歌い上げていたのだ。

 8年間の感謝を伝えるため、Sの社長佐藤ひろ美さんをステージ上に呼ぶ、今日までの日々があったのはSにいたおかげだと、今までの感謝を述べるえみつん。これに対してひろ美社長もSの成長も新田と共にあったと語る。えみつんも社長から学んだことを体現し大きくなった姿を見せなければいけないと、覚悟を口にする。そんな彼女に対しひろ美社長は、離れることの寂しさを口にしながらも、いつでも戻ってきていいよ、辛いこともいっぱいあると思うけど負けないでと、母のようにエールを送る。

 声優・アーティストの事務所移籍自体はそこまで珍しいことではない、しかしそれをファンに直接伝えるとことを彼女が選んだのはそれだけSという存在が大きかったからだろう、株式会社Sは決して大きな事務所とはいえない、だからこそ、そこにいる人たちは家族のような関係性を築いている。ひろ美社長も母と語ったように、事務所の先輩であるfaylanさんからは妹として、後輩の蒼井翔太さんからは姉として扱われてきた。そんな彼女だからこそSを離れるのは一大決心であり、大きなチャレンジだったはずだ。

 話が終わり抱擁をする2人、マイクを外し言葉を交わしていたがその内容は2人だけの秘密であろう、「これからもがんばる新田をずっと応援して欲しいです」と言葉を残しひろ美社長はステージから去っていく。

 

 Sを離れても歌い続けていくし、聴いてくれる人が1人でもいる限り私が歌わない理由はありませんとえみつんは語る。横浜でも聞いた彼女の決意の言葉だ。そして皆さんへの感謝を込めて次の曲へと移る20曲目”Smile again with you”、誰も彼も座ったままにその声を聴いていた、立てるはずなどなかった。新田恵海のこれまでがこの曲に込められていたからだ。

 曲が終わり、再びファンに感謝するえみつん、決意、旅立ちを見せたが新田恵海はみんなと時間を共有することが大好きなのだと語り、これからも心のままに歌い演じていきたいと宣言する。

 そして最後の曲へと移る、EMUSICの名を冠し、彼女が詞を綴った。新田恵海のこれからが込められた曲。

「私の信じるEMUSIC、みんなの信じるEMUSIC、きかせてください!Believe in (E)MUSIC!!」

 このライブの最後を締めるにふさわしい、最後の歌だけど終わりではない歌21曲目”Believe in (E)MUSIC”、この曲を聴いた当初は爽快感のある応援歌だと思っていた。だが、このライブを経て聴いてみると、この歌はそのまま彼女の旅立ちの歌だったということが分かる。『何か変えていくには覚悟が必要』詞が重くのしかかる。だが、それよりもずっと飛び出していこうという意思も強く感じる。『Believe in EMUSIC』彼女が皆が信じているEMUSICがあればこれからも大丈夫なはずだ。パフォーマンスもさっきまでとは異なり、とても楽しそうに、自由に歌っている彼女の姿を見ることが出来た。

 最後は会場の皆で「Believe in?」 「EMUSIC!!」でライブは終了。残念ながらこの日はemitsun bandのメンバーの紹介はなかったが、退場する直前に観客席を見てくれたみっちゃんは最高。

 

 新田恵海のこれまでが詰まった最高のライブでした。えみつんの魅力が詰められた~THE LIVE~、えみつんの覚悟と決意が込められた~THE HISTORY~、どちらも違った楽しみ方、EMUSICの力を感じることが出来ました。これかも走る続ける彼女に最大限のエールを、Belive in EMUSIC!!!